彦根歴史研究の部屋

彦根や井伊家の歴史について、これまで発表してきた私見の紹介・補足説明・修正など。

2020-02-01から1ヶ月間の記事一覧

井伊直政家臣列伝 その9 奥山朝忠 ~似た境遇の従兄弟~ 

奥山一族 奥山氏は、井伊谷より北西に約5㎞、奥山の地に拠点を置く武家である。 系図上は井伊氏と同族となっている。井伊氏の伝説の「元祖」共保からかぞえて5代目の良直、俊直、政直の兄弟がそれぞれ井伊氏、赤佐氏、貫名氏へと分立し、さらに赤佐氏から…

井伊直政家臣列伝 その8 近藤秀用 ~「井伊谷三人衆」から井伊谷の領主へ~ 

近藤康用(1517生~1588没) 近藤氏は三河国宇利を本拠としていた。「寛政重修諸家譜」には康用の祖父である満用から記載されており、その墓所は宇利村にあったことから、その段階で宇利に拠点を置いていたことがわかる。 宇利の周辺には「井伊谷三人衆」と…

井伊直政家臣列伝 その7 鈴木重好(後編) ~「井伊谷三人衆」から直政筆頭家臣へ~ 

直政家臣の筆頭 鈴木重好は、井伊直政家臣団の中で筆頭に位置する重臣であった。 井伊隊の軍事構成は、2つの先備え隊と旗本隊を基本としたが、関ヶ原合戦の際には重好と木俣守勝が先備え隊の隊長を務めている。合戦後、重好が土佐浦戸城の受け取りに出向い…